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情報資産とは何か?情報セキュリティで守るべき対象を解説

情報資産とは何か?情報セキュリティで守るべき対象を解説 情報セキュリティ

私たちの身の回りには、目に見える「モノ」だけでなく、見えないけれどとても大切なものがたくさんあります。その代表例が情報資産です。

仕事や日常生活、さらには家庭や地域活動においても、情報資産を正しく理解し、守ることは欠かせません。

この記事では、「情報資産とは何か?」について、基本的な考え方を分かりやすく説明します。

 

この記事は、IT初心者向けに情報セキュリティの基礎を解説するシリーズの第3回です。
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情報資産とは何か

情報資産とは、組織や個人にとって価値があり、適切に管理し守る必要のある情報、ならびにその情報を生成・保存・利用するための媒体や仕組み全般 を指します。ここでいう価値には、金銭的な価値だけでなく、業務の継続、信頼の維持、競争力の確保といった意味も含まれます。

情報資産というと、顧客情報や文書ファイルなどの「データ」だけを想像しがちですが、それだけでは十分ではありません。情報は必ず、パソコンやサーバ、クラウドサービス、ネットワークといった仕組みを通じて扱われます。そのため、情報そのものだけでなく、それを扱うための機器やシステム、運用の仕組みまで含めて情報資産として捉えることが重要 です。

たとえ情報自体が重要な内容でなくても、管理の甘いアカウントや設定ミスのあるシステムがあれば、情報漏えいや不正利用の入り口となる可能性があります。つまり、情報資産とは単独で存在するものではなく、情報・媒体・仕組みが一体となって価値を持つものだといえます。

情報資産を正しく理解し、何が自分たちにとって重要なのかを把握することが、情報セキュリティ対策の第一歩となります。

 

情報資産の具体例

情報資産と聞くと、「データ」や「ファイル」だけを思い浮かべがちですが、実際にはそれだけではありません。

情報そのものに加えて、情報を保存・処理・伝達・利用するための媒体や仕組み も、すべて情報資産に含まれます。

そのため、「データが入っていないから関係ない」「ただの機械だから大丈夫」と思われがちな機器類も、情報を扱う手段である以上、重要な情報資産です。

以下、代表的な例を分類ごとに見ていきます。

データそのもの

最もイメージしやすい情報資産が、データや情報そのものです。

  • 顧客情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレスなど)
  • 社員名簿、人事情報、成績表、各種名簿データ
  • 写真、動画、文書ファイル(企画書、報告書、マニュアルなど)
  • メールの本文や添付ファイル
  • チャットツールのやり取りや履歴

これらは、漏えいや改ざん、消失が発生すると、信用低下や業務への直接的な影響 を引き起こす可能性があります。

特に個人情報や業務上の機密情報は、優先的に管理・保護すべき情報資産です。

情報を扱うための機器や媒体

情報は、必ず何らかの「入れ物」や「道具」を通して扱われます。そのため、媒体や機器も情報資産に含まれます。

  • パソコン、スマートフォン、タブレット
  • USBメモリ、外付けHDD、SDカード
  • サーバ、NAS(ネットワーク接続ストレージ)
  • 複合機(コピー・スキャン・FAX)

たとえ中にデータが保存されていなくても、今後情報を扱う可能性がある機器設定情報・利用履歴が残っている機器 は、情報漏えいのリスクを持っています。

特に持ち運び可能な機器は、紛失や盗難による事故が起こりやすいため注意が必要です。

情報を管理するための仕組み

情報資産には、「目に見えるもの」だけでなく、情報を管理・利用するための仕組みも含まれます。

  • 業務システム(販売管理、勤怠管理、会計システムなど)
  • クラウドサービス(メール、ファイル共有、SaaS)
  • 各種アカウントやID、パスワード
  • ネットワーク環境(社内LAN、Wi-Fi、VPN)

これらが不正利用されたり、設定ミスがあったりすると、情報そのものが直接漏えいしていなくても、不正アクセスや情報改ざんの入り口 になってしまいます。

特にアカウントやパスワードは、「情報を守る鍵」とも言える重要な情報資産です。

 

なぜ情報資産が重要なのか

情報資産は、企業や組織、そして個人の活動を支える「土台」となる存在です。
これが失われたり、外部に漏えいしたりすると、単なるトラブルでは済まず、さまざまな深刻なリスクにつながります。

信用の低下

情報漏洩が発生すると、「この会社は情報をきちんと管理できないのではないか」という不信感を持たれてしまいます。

一度失った信用を取り戻すのは簡単ではなく、「顧客離れ」「取引先からの契約見直し」「新規取引の減少」といった形で、長期的に事業へ影響を及ぼします。

特に個人情報を扱う企業では、社会的評価へのダメージが非常に大きくなります。

法令違反や損害賠償

個人情報保護法や業界ごとのガイドラインでは、情報を適切に管理することが求められています。

情報資産の管理が不十分だった場合、「行政指導や改善命令」「罰金・課徴金」「被害者への損害賠償」といった法的責任が発生する可能性があります。

「知らなかった」「対策していなかった」では済まされない点も重要です。

業務停止・事業継続への影響

情報資産は、日々の業務そのものと密接に結びついています。

例えば、「期間システムがつかえなくなる」「顧客データにアクセスできない」「社内文書が消失する」といった事態が起きると、業務が止まり、事業の継続が困難になります。

ランサムウェアなどの攻撃では、復旧までに数日~数週間かかるケースもあります。

金銭的損失

情報資産のトラブルは、直接的・間接的な金銭的損失を生みます。

「システム復旧や調査にかかる費用」「外部専門業者への対応コスト」「売上減少や機会損失」など、これらが重なることで想定以上に大きな経済的ダメージを受けることも珍しくありません。

 

まとめ

情報資産とは、単なるデータではなく、情報・機器・仕組みを含めた価値ある大切な資産です。

近年の情報セキュリティ事故は、必ずしもサイバー攻撃だけが原因だけではありません。
「USBメモリやPCの紛失」「メールの誤送信」「クラウド設定のミス」「操作ミスによるデータ削除」といった人為的なミスによる事故も多く発生しています。これは誰にでも起こりうるリスクであることを意味します。

このようなリスクを防ぐためにも自分たちがどんな情報資産を持っているかを正しく把握することが重要です。

情報資産とは何かを理解することは全ての情報セキュリティ対策の第一歩と言えるでしょう。

 

参考文献

  1. 相戸浩志,『図解入門 よくわかる 最新 情報セキュリティの基本と仕組み[第3版]』,秀和システム, 2010年.
  2. 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA),『中小企業のための情報セキュリティ対策ガイドライン』,IPA,2019年.
    https://www.ipa.go.jp/archive/security/guide/ug65p90000019cey-att/000014950.pdf

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