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ゼロトラストセキュリティとは?従来型との違いを初心者向けに解説

ゼロトラストセキュリティとは?従来型との違いを初心者向けに解説 情報セキュリティ

近年、企業のセキュリティ対策として
「ゼロトラストセキュリティ」という言葉をよく聞くようになりました。

しかし、

  • 名前は聞いたことがある
  • 従来のセキュリティと何が違うの?
  • なんだか難しそう…

と感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、
ゼロトラストセキュリティの基本概念従来型セキュリティとの違い
を初心者にもわかりやすく解説します。

 

この記事は、IT初心者向けに情報セキュリティの基礎を解説するシリーズの第8回です。
▶ 情報セキュリティ基礎シリーズ一覧はこちら

 

ゼロトラストセキュリティとは?

ゼロトラストセキュリティとは、
「何も信頼しないことを前提にしたセキュリティモデル」です。

英語では Zero Trust Security と呼ばれます。

従来のセキュリティでは、
「社内ネットワークは安全」
という考え方が一般的でした。

しかし、ゼロトラストでは、
社内・社外に関係なくすべてのアクセスを疑うという前提で
アクセスをチェックします。

つまり、
すべてのアクセスを毎回検証するセキュリティと言えます。

 

なぜゼロトラストが必要になったのか

ゼロトラストが注目されるようになった背景には、
IT環境の大きな変化があります。

主な理由は次の3つです。

クラウドサービスの普及

以前は会社のシステムは

  • 社内サーバー
  • 社内ネットワーク

に置かれていました。

しかし現在は、

  • Google Workspace
  • Microsoft 365
  • Salesforce

などのクラウドサービスが広く利用されています。

つまり、
社内ネットワークの外に重要なデータが存在する環境になりました。

テレワークの増加

リモートワークが増えたことで、

  • 自宅
  • カフェ
  • 出張先

などから会社のシステムにアクセスすることが増えました。

その結果、
社内ネットワークという境界の意味が薄れてきています。

サイバー攻撃の高度化

近年のサイバー攻撃では

  • 標的型攻撃
  • フィッシング
  • ランサムウェア

などが増えています。

従来のセキュリティでは、
一度社内に侵入されると、内部で自由に動かれてしまうという問題がありました。

そこで、
「最初から信用しない」
というゼロトラストの考え方が注目されています。

 

従来型セキュリティとの違い

ゼロトラストを理解するには、
従来型セキュリティとの違いを見るのが分かりやすいです。

 

項目従来型セキュリティゼロトラスト
基本思想社内は信頼できる何も信頼しない
防御方法境界防御常時検証
ネットワーク社内中心クラウド前提
アクセス制御一度認証すればOK毎回検証

 

従来型はよく
「城と堀モデル」と呼ばれます。

外からの侵入を防ぐ
城壁型のセキュリティです。

しかし、一度侵入されると、
内部は自由に行動されてしまう可能性があります。

一方、ゼロトラストでは、
内部でもアクセスを常に確認します。

そのため、
侵入された場合でも被害を最小限に抑えることができます。

 

ゼロトラストの基本原則

ゼロトラストにはいくつかの基本原則(Never Trust, Always Verify)があります。
代表的なものを紹介します。

常に検証する(Explicitly Verify)

ユーザーや端末を
常に検証してからアクセスを許可します。

例えば

  • ログイン認証
  • デバイス確認
  • 位置情報チェック

などです。

最小権限アクセス(Use Least Privilege Access)

ユーザーには、
「必要な時間だけ」「必要な範囲だけ」
などの考え方で必要最低限の権限のみを付与します。

例えば、

  • 人事データ → 人事部のみ(認証後30分間などの時間制限付き)
  • 経理データ → 経理部のみ

といった形でアクセスを制御します。

すべての通信を監視(Assume Breach)

ゼロトラストでは、
「すでに侵害されている可能性がある」
という前提(Assume Breach)でシステムを運用します。

そのため、

  • 通信ログ
  • アクセス履歴
  • ユーザーの行動分析

などを継続的に監視します。

不審なアクセスや異常な行動があった場合、
すぐに検知・対応できる仕組みを構築することが重要です。

 

ゼロトラストを実現する主な技術

ゼロトラストは
1つの製品だけで実現できるものではありません。

複数のセキュリティ技術を組み合わせて実現します。

代表的な技術は以下のとおりです。

ID管理(IAM)

ユーザーの

  • 認証
  • 権限管理

を行います。

多要素認証(MFA)

パスワードだけでなく、

  • スマホ認証
  • ワンタイムパスワード
  • 生体認証

などを組み合わせて安全性を高めます。

デバイス管理

会社のPCやスマートフォンの

  • セキュリティ状態
  • OS更新状況

などを確認します。

アクセス制御

ユーザーや端末の状況に応じてアクセスを制御します。

例えば、

  • 社外PC → 一部機能制限
  • 未管理端末 → アクセス禁止

といった対応が可能です。

 

ゼロトラスト導入によるメリット

ゼロトラストを導入すると、
次のメリットがあります。

セキュリティ強化

内部不正やアカウント乗っ取りなど、
内部リスクにも強くなります。

テレワークに対応

場所に関係なく安全にシステムへアクセスできます。

クラウドとの相性が良い

クラウドサービスを安全に利用できる環境を構築できます。

 

ゼロトラストの課題

一方で課題もあります。

導入が複雑

多くのシステムを組み合わせるため、
設計や導入が難しい場合があります。

コストがかかる

認証システムや管理ツールなど、
導入・運用コストが発生します。

運用ルールが重要

アクセス権限の設定やログ監視など、
適切な運用設計が必要です。

 

まとめ

ゼロトラストセキュリティは、
「何も信頼しない」ことを前提にした新しいセキュリティモデルです。

従来型との大きな違いは次のとおりです。

  • 社内ネットワークを信用しない
  • すべてのアクセスを検証
  • クラウドとテレワーク前提

クラウド利用やリモートワークが当たり前になった現在、
ゼロトラストは重要なセキュリティモデルとして注目されています。

今後の企業セキュリティでは、
この考え方がさらに広がっていくでしょう。

 

参考文献

  1. National Institute of Standards and Technology,『NIST Special Publication 800-207 Zero Trust Architecture』,National Institute of Standards and Technology,(参照日:2026年3月16日).
    https://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/SpecialPublications/NIST.SP.800-207.pdf
  2. Google,『BeyondCorp: A New Approach to Enterprise Security』,Google,(参照日:2026年3月16日).
    https://cloud.google.com/beyondcorp
  3. Microsoft,『Microsoft Zero Trust security model』,Microsoft,(参照日:2026年3月16日).
    https://learn.microsoft.com/security/zero-trust/
  4. 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA),『ゼロトラストセキュリティ移行のすゝめ』,IPA,(参照日:2026年3月16日).
    https://www.ipa.go.jp/jinzai/ics/core_human_resource/final_project/2022/zero-trust-mgn.html
  5. Cloud Security Alliance,『Zero Trust Guidance』,Cloud Security Alliance,(参照日:2026年3月16日).
    https://cloudsecurityalliance.org/artifacts/zero-trust-guidance-for-iot

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